秒速5センチメートル (2007) : 5 Centimeters per Second

題意は「桜の花びらが舞い落ちる速度」。惹かれ合っていた男女の時間と距離による変化を「桜花抄」、「コスモナウト」、ならびに「秒速5センチメートル」という短編3話の連作構成で描く。新海誠の第3作目の劇場公開作品。

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秒速5センチメートル (2007) / 5 Centimeters per Secondのあらすじ

物語は1990年代前半頃の東京の小学校を舞台に始まる。

桜花抄(おうかしょう)

「桜花抄」の舞台、映画のポスターにもなった岩舟駅前
東京の小学校に通う遠野貴樹と篠原明里は精神的に似通っており、互いに「他人にはわからない特別な想い」を抱き合っていた。クラスメイトたちのからかいを受けながらも一緒に時間を過ごすことが多かった2人だが、明里の父親の仕事の都合で小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことがなくなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木にいる明里から手紙が届く。それをきっかけに文通を重ねるようになる2人。
しかし中学1年の終わりが近づいた頃(1995年)に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない……」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。約束をした3月4日、関東では大雪となり、貴樹の乗った列車は途中で何度も長い時間停車する。さらに、宇都宮線から両毛線への乗り換えの小山駅のホームで、明里に渡す手紙を風に飛ばされ紛失してしまう。貴樹には、遅れている列車をホームで待っていたり、停まった列車の中で運行再開を待っていたりすることしかできず、時間だけが流れていった。
深夜になって、ようやく貴樹は待ち合わせの岩舟駅に到着する。人気のない待合室で明里は待っていた。貴樹と明里は雪の降る中、桜の木の下で唇を重ね、近くの納屋の中で寄り添って夜を明かした。
翌朝、明里は駅で「貴樹くんはきっとこの先も大丈夫だと思う」と言って貴樹を見送った。明里も手紙を用意していたが、貴樹に手渡せなかった。貴樹は走り去る列車の中、彼女を守れるだけの力が欲しいと強く願いながら、いつまでも窓の外の景色を見続けていた。

コスモナウト

「コスモナウト」の舞台となった種子島の中種子町
1999年、 種子島の高校3年生・澄田花苗は、中学2年の春に東京から転校してきたクラスメイトの貴樹に恋をしていたが、その想いを伝えられずにいた。しかも、卒業を間近に控えながら自身の進路も決められず、趣味のサーフィンでも波の上に立つことができないというスランプに陥っていた。
しかし、一つずつできることからやると決めてサーフィンに挑み、ついに波の上に立つことができた。今を逃せば二度と気持ちを打ち明けられないと思った花苗は、秘めていた自身の想いを貴樹に告げようと決心する。しかし、想いを告げようとした瞬間、貴樹から無言の圧力を感じた花苗は告白することができず、貴樹のやさしさを悲しく思いながら帰り道に泣き出してしまう。そしてその時、2人の後ろで打ち上がったロケットを見た花苗は、貴樹は自分のことなど見ておらず、ずっと遠くにあるものを見つめているのをはっきりと悟るのだった。
結局その日の帰り道、花苗は何も言えずに告白を諦めてしまう。そして彼女は貴樹への想いが一生報われなくても、それでもなお彼のことがどうしようもなく好きだという想いを胸に、泣きながら眠った。

秒速5センチメートル

東京で社会人となった貴樹は高みを目指そうともがいていたが、それが何の衝動に駆られてなのかはわからなかった。ただひたすら仕事に追われる日々。3年間付き合っていた女性からは「1000回メールしても、心は1センチくらいしか近づけなかった」と言われ、自身の心が彼女に向いていないことを見透かされてしまう。貴樹自身も自分自身の葛藤から、若き迷いへと落ちてゆく。貴樹の心は今もあの中学生の雪の夜以来ずっと、自身にとって唯一の女性を追い掛け続けていたのだった。
2008年春のある日、会社を辞めた貴樹が小学生の頃に通っていた踏切を歩いていると、明里らしき女性とすれ違う。
踏切を渡り、彼と彼女がゆっくりと振り返るが、小田急線の急行列車がふたりの視界をふさいだ。
列車が通り過ぎると、そこに彼女の姿はなかった。

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